今日はバレンタインだ、毎年姉さんからしかもらえなかったけど今年は……
そんな事を思いながら寒い中、学校にむかった
「よう椿、おはよう」
「おはよう」
学校に着くと男子の様子がおかしかった、机の中を何度も手を突っ込む人がいた、下駄箱で恐る恐る開ける人もいた
俺はそんな事をするはずもなく、さっさと自分の席に座った
1時間目は、なんだっけなー、と考えていたら
「おはよう椿くん♪」
「おはよう諏訪野」
亮子も来たみたいだ、いつもより少し嬉しそうな感じがする
どんなチョコをいつ貰えるかウキウキしながら待つことにした
……
……
……
「椿、お前チョコもらった?」
授業の間の休憩時間に友達から話しかけられた
「いや貰ってないよ」
「そうだよなー 俺と一緒だな」
「ははは、そうだね」
正直「お前と一緒にするな」と言いたかったけど、話を合わせる事にした
「……」
周りをみてみると、まだみんながソワソワしている感じが伝わった
……
……
……
授業をいくつかこなし、お楽しみの昼食の時間になった
いつもの場所にいつも以上に楽しみに向かった
「はい、明くん♪」
そう言って出されたのは…… いつもの、お弁当だった…… いやまあ、嬉しいんだけど……
「……」
「どうしたの? 嫌いな物でも入ってた?」
「いや、そういう訳じゃないよ」
「なら、よかった召し上がれ」
「うん、頂きます」
食べ終わった後に出て来るのかなー? そう思った俺はいつもより少し早めにお弁当を食べた
「もう食べたの?」
「うん」
チョコを早くくれないかと、チラチラ亮子の様子を伺っていた
「ふふふ、随分お腹が減ってたのね♪」
……
……
結局いつも通りに昼食の時間が終わってしまった
あれー? 付き合ってる人通しだとあげないのかな?
教室に戻ったら、俺の席の近くに上野がいたから聞いてみる事にした
「なあ、上野?」
「どうした?」
「お前、丘からもらった?」
「うん、さっき貰った」
すげー嬉しそうに言ってきた
「……」
俺はモヤモヤしたまま、午後の授業を受けた
……
……
……
最後の授業が終わってホームルームが終わったので帰ろうとしたら
「おーい、諏訪野・椿」
先生に呼ばれた
「「はい」」
「申し訳無いがこれやっといてくれないか?」
先生に課題を出された
「「わかりました」」
亮子と向かい合わせに座り、課題を進めていった
「……」
「……」
「……」
「……」
どんどん進めいていき時間もたっていった、周りをみてみると亮子と二人きりになっていた……コレは雰囲気的にも貰えるチャンス!
チラッと亮子の事を見てみたら
「……ん? どうしたの?」
「え!? いや、なんでもない……邪魔してごめん」
微塵も貰える気がしなかった
しばらく作業をしていると
ピッーピッーっと音が鳴った、なんだ? と思って音の方をみてみると
「マジか……」
ストーブの灯油が切れたみたいだ
「……お願い♪」
「……わかった」
灯油の缶を持ち、灯油を入れに向かった
灯油は外にあるので、靴に履き替えようとしたら、ラストチャンスと言わんばかりに下駄箱の中を見ている人が数人いた……
「今ならその気持もわからなくも無い……」
……
……
灯油を入れ終わり、教室に向かった
もしかしたら、亮子はこういうイベントに興味は無いのだろうか? そんな事を考えている内に教室に着いた
「おかえり〜♪ 明くんの分もやっておいたよ〜♪」
「ありがとう」
灯油の缶をストーブの中に入れ
「これでよし」
「寒い中お疲れ様〜♪ はいどうぞ♪」
亮子は水筒のフタを手に持っており中身から……とても甘い匂いが漂っていた
「これって……」
ホットチョコレートだった
「少し冷めちゃってるけど、どうぞ〜♪」
「亮子〜」
自分でも情けないと思う声が出てしまった
「あはは、本当はお昼の時あげようと思ったんだけど、明くんの反応見たら、からかいたくなっちゃって」
「そんな理由で、俺は一日悩んでいたのか……」
「ふふふ、ごめんなさい♪」
ゴクゴクと一気に飲み干した
「すげー美味い」
「まだ、あるからね〜」
水筒に入っているホットチョコレートをすべて飲み干した
「ありがとう、美味しかったよ」
「全部飲むなんて、よっぽど欲しかったのね♪」
「そりゃ、すごい楽しみにしてたからね」
終わった課題を先生に提出し帰ることにした
途中まで一緒に帰り
「「んっ」」
「明くんのキスと〜っても甘いわ〜♪」
「まあ、あんだけ飲んだしね」
「ホワイトデー楽しみにしてるからね〜 じゃあね〜」
「えっ…… わかったよ! バイバイ」
後書き
13作品目
諏訪野編7作品目
いじめっこ諏訪野、中々チョコを渡しませんでしたねw
椿くんが貰えなくってあせっている描写をもっとうまく書きたかったのですが
僕ではこれが限界ですw
教室にあるストーブなのですが、灯油なくなったら鳴りましたっけ?
少なくとも自分の記憶にはないですねw
お気に入り度は80点です、あせっている描写をもっとうまく書けたらなーっと思います。
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