桜が満開に咲いているある日

「今日は帰りが遅いから、自分で夕飯を食べてね」

「わかった、行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい」

いつも通りに家に出て、学校に向かった

トボトボ歩いていると

「おー」

視界にはヒラリヒラリと桜が落ちていた

「近々、卜部と花見でもしたいな……でも卜部ってそういうの嫌がるからなー」

誘い出すのにいい口実が無いかと考えているうちに学校のクラスに着いた

「おはよう……椿くん」

「おはよう、卜部」

席について、今日の日程をこなす事にした

……
……
……

結局、いい考えが無いまま学校が終わってしまった

「じゃあ、いつもの場所で」

「あっうん」

卜部は駆け足で行ってしまった

「なにか、いい案は無いだろうか」

桜が舞い散る中、待ち合わせ場所まで行った

「行こうか」

「……」

卜部は無言で頷いだ

適当な事を話しつつ、橋の上まで来てしまった

「……しましょ」

そう言うと、卜部は指を口に入れて、日課の準備をした

「はい」

「あーん……あまい」

このままだと、いつも通りに解散してしまう

「じゃあね、またあs」

「まっ待って」

「どうしたの?」

なにも考え無しに引き止めてしまった

「えっえーっと……その……」

「なに?」

「そっそうだ、今夜、桜でも見に行かない? 近くに綺麗に咲いている場所があるんだけど」

「……うーんどうしようかな」

悩んでいる……もうひと押しだ……なにか……なにか無いだろうか卜部の気を引く何かを……

「じゃっじゃあ俺が、弁当作って持って行くよ」

「本当に?」

引き止めた!

「……味は保証できない上に簡単なものしか作れないけど」

「それなら、行こうかしら」

やった!

「ほっ本当!? そっそれなら7時にここでどう?」

「いいわよそれで……楽しみにしてるわ」

「えっ!? うっうん頑張って見るよ」

「頑張ってね……じゃあ7持に、ここで待ってるわ」

「わかった」

勢いで言ってしまった焦りを隠しつつ家に向かった

家について、冷蔵庫を開けてみた

「材料は色々あるな、この材料で作れるものは……」

家にあったレシピを広げて台所に立った

「ふんふん、コレとコレはできそうだな、よし! 作るか」

……
……
……

……できた

「俺の弁当箱と卜部の弁当箱に入れて、おにぎりはでかい弁当箱まとめて入れて、隙間がないように詰めてと」

合計3個の弁当箱ができた

「終わった……やべっ結構いい時間になってるな」

なれて無いためか、時間が掛かってしまった

「弁当箱を持って……行くか!」

全力で急いで橋に向かった

「ふぅーふぅー着いた あ! 卜部!」

息を切らして、目的地についたら、片手に荷物を持った、私服姿の卜部が待っていた
俺は服のことをよくわからないけど、かわいいシャツとスカートを履いていた

「……制服のままなのね」

「家帰ってからすぐ作ったから、着替えるヒマが無くて」

「ふふっ ありがとう……」

少し微笑んでくれた……思わず見とれてしまった

「どうしたの? 早く行きましょ?」

「あっあ、うん」

卜部と隣合わせに歩き、目的地に向かった

……
……

「ここだよ」

「わぁー 満開ね」

平日のためか、思ったより人はいなかった

「……」

「……」

桜舞い散る中を卜部と一緒に歩いた、なんかこれで満足しちゃいそうなくらい幸せだ

「ここら辺でいんじゃない?」

「そうだね……あ!」

地面に引くものを忘れた

「シート忘れたんでしょ? ちゃんと持って来てるわよ」

「おぉー ありがとう、抜け目ないな」

卜部も結構楽しみにしてくれているみたいだ

桜の木の下に卜部が持って来た、シートを引きそこに座った

まずは、おにぎりが、入っている弁当箱をあけた

「こっちは、おにぎりね、おかずは別の箱かしら?」

「その通り、どうぞ卜部」

おかずが入っている、弁当箱を卜部に渡した

「ありがとう」

「開けてみていい?」

「いいよ」

卜部はパカっとフタを空けた

「結構色々作ってくれたのね」

「そっそうかな」

中身は、卵焼き・タコのウィンナー・キャベツで野菜を巻いたもの・豚の照り焼き、の4点だ

「美味しそう、頂きます」

卜部は豚の照り焼きを、箸でつまみ、口に入れた

「……」

ドキドキしながら、感想を待った

「美味しいわよ、椿くん」

「本当! よかった……」

桜を見ながら、食事を楽しんだ

……
……
……

作りすぎたかな? と思ったけど全部たいらげた

「ごちそう様、ありがとう椿くん」

「お粗末さまです」

立ち上がり、後片付けをしようとしたら

落ちている桜を巻き上げながらサァーっと風が吹いた

「キャっ」

卜部はとっさにスカートを抑えた

「……」

おしい、見えなかった……

「エッチな風ね……みた?」

ジト目で見られた

「みっ見てないよ」

「ならよかった、早くかたしましょ」

……
……

夜空の下を肩を並べて帰った

本当は、肩を抱き寄せたかったけど、
それをしたらハサミでズタズタにされそうだから、やめておいた

橋の上につき

「じゃあね椿くん、またあs」

ブワァーっとまた、風が吹いた

「キャっ!」

俺の前で、卜部のスカートがめくり上がった

「あっ!」

パンツに何かがついていた

「もう……なによ……見た?」

「見た……」

「エッチ」

恥ずかしそうに言われた

「あっあの卜部、パンツになんかついてたよ」

「えっ……」

卜部は俺に背中向けて、自分のパンツを確認しだした
その後姿を見ているだけで、鼻血が出そうだった

「椿くんよく見えたわね……あっそうだ」

パンツについていたもの確認したのか、卜部はこちらを向き、俺に近づいてきて

「卜部?」

「椿くん、目をつぶって」

「わかった」

ギュッと目をつぶった

「はい、私からのデザート」

卜部の指を咥えた……あれ? 口の中に違和感が

口の中に入っている物を、指でとり出した

「なんだこれ?」

「桜の花びら」

「これってまさか」

「私のパンツについてたやつ」

それを聞いた瞬間、鼻血を拭いてひざまづいた

「じゃあね、また明日ね!」

なんとか顔を上げると、そこにはイタズラに成功して喜んでいる卜部の笑顔があった、
俺は鼻を押さえ、返事ができないまま、卜部を見送った

後書き

19作品目

卜部偏の5作品目ですが今までの続きでは無いです。

リクエスト作品です。

原作のオマージュですね、落ちが謎の彼女っぽくできた気がします。

お気に入り度は75点ですかね、あんまり自分で考えてないので。

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