夏休みが終わり、少し日付がたったある日の学校

「卜部さんご飯食べましょ」

「わかったわ」

丘さんに誘われいつものベンチで昼ごはんを食べる事にした

ベンチに移動しモグモグと丘さんのお弁当を食べていると

「ねえ?」

「なに?」

「夏休みはどうだったの?」

「どうだったって?」

わかっているけど、とぼけてみた

「もう、卜部さんたら〜わかってるくせに つ・ば・き・く・ん・とはなんかあった?」

「別に… 普通に遊んだだけよ」

私は半分嘘をついた

「え? ウッソだー! 私は旅行に行ったことは知ってるんだけどなー」

……え?

「◯◯駅の近くの旅館に行ったんでしょ?」

「なんで知ってるの?」

これには正直驚いた

「何でもなにも、あの場所を教えたのは私だもん」

「そうだったのね」

「その反応を見ると、椿くん話してなかったのね」

なんで、あんないいとこ知ってるか不思議だったのよね

「一応、教えた経緯を話してくれないかしら?」

まさか、二人で遊んだって事はない…わよね?

「夏休み中に本屋でバッタリ会って、椿くんが『旅行に行きたんだけどいいとこないか?』
って聞いてきたから教えただけよ」

「なんだ… よかった」

「あそこの温泉よかったでしょ?」

「そうね、広くてたくさんあって面白かったわ」

「椿くんとは入った?」

……

「はっ入ってないわよ」

「え〜? 本当に?」

丘さんがグイッと体を近づけてきた

「ほっ本当よ」

思い出してしまった、明くんの思ったより大きい体を

「ふ〜ん まあ、いいわ」

「そんで、後はなんかなかったの?」

「えーっと、あき…椿くんに耳かきをしてあげて」

あの明くん可愛かったな…ヨダレ出して寝ちゃうんだもん

「いいなー 私もされてみたーい」

「今度ヒマがあったらね」

「約束よ! そんで? 話を続けて」

…いつの間にか丘さんのペースになってしまった

「ご飯を食べて」

「メニューは何だったの? お刺身となに?」

「お刺身と… 白身のしゃぶしゃぶが出たわ」

「あの旅行、値段の割りには夕飯が豪華よね」

「うん、私もそう思ったわ」

「っで、その後は?」

「椿くんに、耳掃除をしてもらったわ」

「…椿くんが? …意外」

「まあそうよね、私がお願いしたからね」

「どうだった?」

「すごい優しく丁寧にしてもらって、とて心地よかったわ」

「椿くんは卜部さんの事を大切に思ってるから優しくするのは当然よ」

それを言われて嬉しかった

「……」

「なに、嬉しそうにしてるの〜」

「そっそんな事ないわよ」

「もう照れなくてもいいのに、卜部さん可愛い♪」

「……」

「その続きは?」

「えーとその後は…」

明くんにキスされて…いや、誘ったの私だけど、そんでそんでその後は…

「……」

「どうしたの?」

「……」

「卜部さん?」

あの日の事を思い出してしまった、旅館での熱い一夜を…いま私の顔は真っ赤だろう…

「卜部さん? 顔を赤くしてどうしたの?」

楽しそうな顔をしながら聞いてきた

「なっにも無かったわよ、お互い別々の布団で寝てお終いよ」

「本当に?」

「…………本当よ」

「なにかな〜 今の長い間は?」

「……」

「あっ! あんな所に椿くんがいる!」

「え! どこどこ!?」

「えい!」

指を私の口に突っ込まれた

「あっ」

しまった! また、この手に引っかかてしまった

「ダメダメ、舐めちゃだめ!」

「いいじゃんいいじゃん、少しぐらい」

「少しでもダメ!」

「あむ」

「あ…」

必死の抵抗むなしく、丘さんは私のヨダレを口に含んでしまった

「んっんんー」

丘さんの顔はすごく赤くなり

「ううううん」

メガネがくもり

「あうう」

嬉しそうな顔をし

「もう…ダメ」

鼻血を出して倒れた

「ちょっと! 大丈夫!? 丘さん!?丘さん!?」

……
……
……

昼休みが終わり

先生が来て

「丘は体調が悪いから、午後の授業は保健室で休むそうだ」

「ありゃ珍しい…卜部なにか知ってる?」

「しっ知らないわ」

倒れたのは私のせいになるのかしら?


後書き

7作品目です

卜部編の3作品目

ちょっとした小ネタです、語ることも特に無いです、点数もつけれないですw

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